「有限会社ファインアートかわばた」について
「有限会社ファインアートかわばた」様は、JR高野駅から県道347号線経由で東に4Km( 岡山県津山市下野田387−1)にあり、膜材・シートの販売・施工する企業です。
イベントなどで使うテント、椅子、椅子等のレンタルも行っています。1978年(昭和53年)9月に創業し、以来、膜材・シートを活用した色々な製品やサービスを提供しています。
今回は、代表取締役社長の牛垣和弘(うしがきかずひろ)さんへのインタビューを行いました。
創業のきっかけは?
1978年にスリーKスポーツの娘である川端氏が津山市上河原で自宅兼工場を経営し始めました。彼女の義理の父は、多摩芸術大学を卒業していたため、仮設テントのデザインや居住性に興味を持ち、テントの販売と施工を目指して会社を設立しました。彼らは津山の明るさを引き出すために色彩にもこだわり、社名をファインアートかわばたとしました。彼らはテントだけでなく、他の製品の製造方法にもこだわっていました。
「ファインアートかわばた」さんのこだわりとは何ですか?
津山には3社テント屋がありますが、それぞれ得意、不得意があり、お店の軒先を彩るデザインテントは経営者や会社の持ち味で色合いだとか形が作られ、そこは大きな特徴違いがあると思います。
他社との差別化は必要と思います。 私達が意識している点は、テントと言うものは、昔から安かろう悪かろうと簡易的に見られるから、どうしても布地を使うため、シワが出やすい、ここをどうにか工夫しシワを出さない事が、私の最初のテーマでした。 デザインテントは、キッチリとしたテントには支障がないものと捉え方をしていました。
当社は、式典や工場とかの大型テントを得意としています。 多分岡山県では1、2の実績があると思います。元々は、デザインテントに特化していたのですが、ただ私に事業が引き継がれる中、膜構造建築物の大型テントに移行して来た訳です。
デザインを捨てる訳ではないのですが、もちろん並行して行っていきたいと考えています。
今後、膜構造建築物にシフトしていくと思いますが、膜構造建築物の強度などは非常に複雑で、日本では2つの大学内で行われているだけなので非常に人材不足な訳です。
とうしてもこういった大型のものは、公共工事となりますので、受注側の設計事務所やゼネコンさんと緊密な連携が必要となります。
膜構造建設による倉庫
(整地を除き3日で現地で製作)
今後どのように会社を導いて行きたいですか?
テントの可能性を世の中に認知させたいですね。東京ドームとか巨大なものが注目されますが、もっと身近なもの、防災面で言えば人が集まる場所、例えば駅の駅舎などで採用出来るようにしてほしい。ただ建設に携わる設計の方とかゼネコンさん達が、膜素材の特性や構造計算の複雑さから採用に至らないのが現状です。どうしても、イベント等で使われる仮設テントのイメージが強いので、公共の場で使用されない。そういった中、業界全体で有用性、コスト、施工の簡略化などもっと広く認知させてみたいですね。
テント素材の可能性を現実化するためのどのような事が出来ますか?
建築素材として、認知できていない以上、当社は色々な方から興味をもってもらうため、今までのノウハウを元に、顧客から気軽に相談できる会社にする。無限の可能性がテントにはあると思う訳です。海外ではデザインテントで、華やかものがありますが、日本では建築法やテント業者の知識不足で提案が出来ないことが多い。しかし海外で人気のグランピングが少しずつ日本でも流行っていますので時間経過とともに広がってくるかもしれません。できれば行政が主体になって例えば、津山の街の一部、通りをヨーロッパのように華やかなものにしたいですね。
最後に、成功事例、失敗事例等あればお聞かせ下さい。
失敗事例だと、自分たちの技術的、構造的な色々なものの不足から、積雪が原因でテントが潰れ、その中にあった機材がダメージを受け、その業者が廃業にまで追い込まれたことでしょうか。自分自身にも辛い経験となりました。またイベントの舞台で突然の突風でテントが飛んだこともあります。未だにその影響で、顧客から信頼回復出来ていない事もあったり、安全性にを担保しなければ、人命に関わる事と常に意識し、お客様に迷惑がかからないようすごく反省しています。
成功事例としては、そういった失敗体験を元に、どこまでが安全でこれ以上は手を出しちゃだめという経験を積んで、確実に技術向上が出来ていることを実感出来ることでしょうか。お客様のイメージにより近づけ、手間が多くても実現できたときは、やっぱりうれしいですね。自社の限界点を見極め成功体験を積んでいけることは、私達、またお客様にも満足していただけるものと信じています。これからも自社だけでなく、色々な協力者と意見を交わし邁進します。
今後とも色々なことにチャレンジし、膜構造物ならびデザインテントの普及に努めて参ります。今後実用化されると思われる薄膜のペロブスカイト太陽電池や、フィルム状の発光体など膜素材と組み合わせれば軽量なハイテク素材として期待出来ます。無限の可能性をもつ膜素材にご興味がある方は、是非当社のホームページを見てお問い合わせ下さい。