
「かねとうパン店 」について
「かねとうパン店 」様は、津山市加茂町小中原5−39にある、製パン業を行っています。また自社で製材、販売を行っています。昔ながらのパン屋さんで地元の皆様から愛されたお店です。
今回は、店主の兼藤富慈子(かねとう ふじこ)さんへのインタビューを行いました。

創業についてお聞かせ下さい
大正8年、祖父がここ加茂に来て、菓子店として開業し私の夫が事業を引き継ぎました。しかし夫が不幸な事故で亡くなり、廃業を検討したのですが、私がどうしてもこの仕事を続けたくてこの1月で21周年目のスタートになります。感謝するのは、先代をはじめ夫も含めこの地で土台を作り上げ、非常にスムーズな立ち上げをすることが出来たことです。
会社をたたまれることを検討したのはなぜですか?
それは夫が亡くなったからね。 ほとんど製造に関しては夫がやってたので、私は本当に手伝うだけで機械も使ったことないし、使い方もわからなくて、機械使うことも怖かったんです。また生地の配合とか、夫の頭の中に入ってる部分もあったので、半年ぐらい試行錯誤しても、どうしてもうまくいかないこともありました。そういった中、当店の長年のお客様に来てもらい、感想を頂いたり、色々と教わっったりし、改善したこともあり、ご協力して頂いた方々のおかげです。


旦那さんが亡くなりすぐに、お店を続けられたことについてお聞かせ下さい。
主人の仕事の段取りや、材料の配合を手伝っていたので、多分出来ると軽く考えていたのです。また繰り返し作っていればなんとかなると思い、出来ないとは思いませんでした。 それと、主人の作る食パンがとても美味しかったので、どうしても同じものを作りかったのです。配合や作り方はわかっていたのですが、その日の気温に合わせて素材を調整したりすることはとても難しく、お手本となる主人のパンを思い出しながら、数年後やっと近づいたと感じるようになりました。
業界についてお聞かせ下さい
原材料費の高騰が続いています。また材料自体の仕様変更や廃止により安定した材料の供給が困難となっています。現在は、なんとか配合の調整や長年の経験から調理法の改善で良い方向に向かっていますが、原材料費の高騰は調整できないので、値上げまた量の減少で対応しています。


今後についてお考えがあればお聞かせ下さい
そうですね。新しい取り組みとして、県の広域農業普及指導センターさんが津山産小麦を使い、製品つくりを行っており、ラスクの生産を推し進めています。当店でも指導の元、生産販売を行っていますがなかなか好評です。また地元の素材を活用しているため、地元にも貢献できていると思います。当店ですが、私を支えてくださるお客様や家族の協力の元できるだけ長くこのお店を存続し、このお店の味を少しでも長く残せれば嬉しいです。
取材をして感じられたのは、この地で、長く製パンを行い、地元の味としてお客様から高評価を頂き、また接客等のサービスも高くこの地に根付いたパン屋さんという印象を受けました。いつも食べるパンですがこういったお店が近くにあるだけで安心感が出ています。いつまでも残っていただければ幸いです。